相続税法が大幅に変るかもしれません。
残された妻の生活への配慮を手厚くする法案とのことで、どんな内容か気になります。2018年6月6日に民法改正法案が審議入りしたそうです。今国会中に成立すると良いですね。
● 残された配偶者がそれまでの住居に住み続けられる制度の新設
配偶者短期居住権の新設(配偶者が遺産分割の対象の建物に住んでいる場合、遺産分割が終了するまでは無償で住めるようにする権利。)
配偶者居住権の新設(住宅の権利を「所有権」と「居住権」に分割し、配偶者は居住権を取得すれば、所有権が別の相続人や第三者に渡っても自宅に住み続けることができる(居住権のみの相続も可))。
● 住居の遺産分割の対象からの除外(被相続人の意思表示推定規定)
これは積極的な支援じゃないでしょうか。
結婚20年以上の夫婦なら、配偶者が生前贈与や遺言で譲り受けた住居は「遺産とみなさない」という意思表示があったとして、遺産分割の対象から除外するというものになるそうです。
遺言書などで住居を妻に贈与するとしておけば、相続財産とはみなされず、住居を遺産分割されることがなくなるそうです。書き方は結構難しく、相続させると書くと相続財産になってしまうので、弁護士さんと相談することが必須だと思います。
その結果、この場合は相続財産は住居以外の現金預金などになるため、妻以外の相続分はずいぶん少なくなるはずです。遺産分割のために住居を売却する必要がなくなりますね。
● 遺言状に関する規定も改正されるかもしれません。
遺言を行うときは、自筆遺言書を作成して密封し、死後に相続人である家族が家庭裁判所で検認を受ける方法と、公証人役場で遺言書を作成して保管してもらう方法があります。
公証人役場で作成するのが一番確実な方法なのですが、自分で作成できる自筆の遺言書を残す方がまだまだ多いんじゃないでしょうか。
自筆遺言書の注意点は、家庭裁判所に持ち込むまでは開封してはいけないことと、家庭裁判所の検認が行われるには、2カ月程度の期間が必要なことです。
これを解消するために、自筆遺言書を作成したら、法務局で保管してもらえるようになるかもしれません。このメリットは、自筆証書遺言を法務局に預けた場合は、「検認」の手続が不要になるそうです。
これは良い制度になりそうですね。手続き面での詳細はまだ分かりませんが、現実的な方法になることを期待しましょう。